介護者(ケアラー)が知っておきたい医療と介護の違い(3)

更新日:2015/07/24

2015-07-18 19.03.58介護者(ケアラー)が知っておきたい医療と介護の違いを三つのポイントにまとめてみたのか以下。

1.健康保険と介護保険は似て非なるものだが、相互に補完しあうもの。
2.それぞれ得意分野、縄張りがあり、目指しているゴールが違う。
3.よって、介護者とのカウンターパート(窓口)はそれぞれ異なる。

今回はその3になります。

3.よって、介護者とのカウンターパート(窓口)はそれぞれ異なる。

前回の最後に・・・

医療の世界では、
主治医の診断した疾患が「治る」あるいは「再発しない」「悪化しない」ことをゴールに患者に関わります。
介護の世界では、
判定した要介護度のレベルの改善、あるいは、現状を維持することをゴールに要介護者に関わるのです。

そして、それぞれがそのゴールに向けて、それぞれの治療・サービスが提供され、仮説検証のサイクル、あるいは、PDCAサイクルを回していくのです。
そして、介護者である家族は、介護のPDCAにおいては、自らも主体的に関わっていくことが必要なのです。

・・・と締めくくりました。

ではその主体的に・・・というのがどういうことかご紹介していきます。

はじめに大前提としてですが、
医療・介護いずれも最終的には患者さんとその家族のハッピーを追及していることは間違いありません。
しかし、どこにフォーカスしてそのハッピーを追及するかなのです。
その思いはどちらも持っていて、懸命にやっていただいていることはぜひ理解して、
感謝の気持ちでお付き合いすることが重要です。

そのうえで、疾患への治療についての相談窓口は、やはり主治医となります。
しかし、実際には相談しやすい看護師、薬剤師に相談する場合が多いかもしれませんね。
でも、最終的には医師まで話が行き、その判断、意思決定は主治医に委ねられます。

他方、介護についての窓口はケアマネジャーになります。
ケアマネジャーは半年ごとに要介護度の判定結果を元にしてケアプランを作成します。

その時に必ず家族の希望・ゴールイメージを聞いてきます。つまり、ここで、こちらの主体的な関わりが求められます。
半年後にどうなっていてほしいか?
親(要介護者)がどういうことが出来るようなっていたらいいか?
要介護度を改善させたいのか?
もし、施設にいたら自宅へショートステイができるようになっていてほしい!
など、希望の聞き取りが行われ、介護の観点からできることを洗い出し、必要なサービスを提供し、半年後に再度介護度を審査して効果を見ていきます。

つまり、「こちらの求めに応じつつ、PDCAサイクルを回していくのです。」

逆に、このプログラムに乗っかっているからこそ、介護費用が保険で支払われるのです。

独自に同じサービスを受けたらとても支払えない高額のサービスを提供してもらうには、面倒でも時間をとって面談しなければなりません。受益者としての義務なのです。

ですので、
医師とのコミュニケーションもさることながら、こちらの求めるゴールに向けて、介護サービスを受け始めたらケアマネジャーとのコミュニケ―ションも重要となるのです。必ず半年に一度は面談を要求されるので必須のものとご理解ください。

また、ケアマネジャーが日々の介護サービスに来てくれるヘルパーさんの手配や初回の面談など設定していただけます。
どうしても、介護スタート時はそういった時間を割くことも多いと思いますが、軌道に乗ればその後はお任せしてもらえるので、長期展望で考えてください。

また、私の経験では、
ある時期から母親が施設に入ったので、主治医へ行き診療する時間をこちらが来れる時間に調整できなくなり、少し不安を覚えたことがあります。

特に施設に入ると服薬管理はしっかりとヘルパーさんが見てもらえるので安心なのですが、病状が良くなってるのか?ひょっとして副作用によって調子が悪いのでは?

など、気になることが出てきます。

私の場合、そういう点をついついヘルパーさんにこの薬を変えてもらえないかと相談したくなります。
しかし、らちのあかないことなのです。

「ヘルパーさんは看護師さんではないのです!」

つまり、ヘルパーさんが医師に直接相談することはできないのです。

ですので、そのような場合は、
ヘルパーさんが患者の家族の代理として、次回、主治医のところに連れていってもらうときに、
「こういう症状があるので、もしや、副作用かもしれない。薬を減量するか、変更してもらうよう検討できないかと家族から相談があった」と言ってもらうようお願いするといいと思います。

この事例、自分が実際にやったといいたいのですが、
実は薬剤師として活躍している妹が親の状態を見て、薬の副作用をしらべ、ヘルパーさんに相談してもらうよう依頼したというのがホントのところ。

さすが、現役バリバリの薬剤師は違うと感心しました。

医師や看護師はどうしても症状を病状と捉えがちですが、薬剤師(私も・・・)は副作用ではないかという見方を出来る存在です。お年寄りは体(体容積)も小さくなり、代謝機能も落ちているので、大人と同じ用量でも副作用を招きやすい可能性があります。
今後はそういう視点ももって、症状を見る薬剤師の存在がもっと求められてくるのではと思います。

余談が多くなりましたが、
医療や介護に不安・不満を覚えたらどこに相談するか?

その窓口の基本は、病状なら主治医、介護サービスならケアマネジャーと理解ください。

その前提で、多忙の時は、クレームや対処の見直しなどの申し立てを代理でお願いする時は相応の姿勢でお願いしてみてはいかがでしょうか?

以上で、医療と介護の違いを現場体験も含めてお伝えいたしました。


« »
1 / 11