介護者(ケアラー)が知っておきたい医療と介護の違い(2)

更新日:2015/07/22

2015-07-19 06.31.58-12.それぞれ得意分野、縄張りがあり、目指しているゴールが違う。

について、事例を踏まえて、ご案内していきます。

「つまり、介護保険サービスは医療行為と切り離されているものなのです。」
と、前回ご紹介しましたが、ちょっと概念の話でピンと来ないかなーと思い、その具体的な例をあげてお伝えします。

そして、このパートでもっともお伝えしたいのは、

「原則、本人か家族が介護が必要だと然るべきところに訴えない限り、だれも動いてはくれない。医療の世界では、その必要性をアドバイスできても、そこまで。」

ということなのです。

たとえば、親がいつものようにかかりつけ医に行って、
「最近、身の回りのことが出来なくなってきて・・・」と訴えたとしたら、
主治医は認知症かもしれない・・・と、診断を行い必要であればお薬を出してくれるでしょう。

でも、主治医がついでに

「これは介護が必要だから介護サービスの指示を出しておきましょう!」といって、

簡単に介護を受けられるものではない!

ということです。

私の経験からいうと、
親の診察時に付き添って行き、主治医の先生とお話していく中で、一人暮らしの実情を話し、
最近のだんだん日々のルーチンが出来なくなってきてることをお伝えし、気になっていると話したら、
「地域包括センターに相談してみては、もし、主治医の意見書が必要であればいつでも書きますよ~」
ということでした。

私も父親の時に包括支援センターには何度かお世話になっていたので、おおよそ見当もついていたので、
「わかりました。それでは、その折はよろしくお願いします。」
ということで、話し合いは終わりました。

もし、わからなかったら、主治医か看護師の方に包括支援センターの電話番号や住所などを伺っていたでしょう。

たぶん、この時点での主治医との目線合わせは必要だろうと思います。介護に向けた協力体制を整えていくのです。

健康保険の下、医療機関が出来ることは、患者さんの診断と治療に関わることまでで、
そこから先は医療の観点での介護の必要性の有無を意見することが出来ても執行することはできないのです。

よって、介護保険の下、サービスを受けるためには、親が弱ってきたとみたら、家族が積極的に動かない限り、受けられないと理解ください。

そりゃ、ずっと、一人暮らしてを放置してたら、ご近所や民生委員がこれは・・・となり、ケースワーカーといった方々が登場して手を打ってくれるかもしれません。あるいは、主治医からあまりにひどいと直接、呼び出しを受けるか・・・。
そうなってからでは、身内としては、常に負い目を感じ、叱られながら、周囲の意見に従うのが精一杯。
主体的にどう手を打っていいかわからない中、渦中に巻き込まれることになります。

ですので、お医者さんに見てもらっているから安心。なんて思わずに、前に書きましたが定期的に主治医とお話する機会を持つことはとても重要となるのです。

そして、医療の世界では、
主治医の診断した疾患が「治る」あるいは「再発しない」「悪化しない」ことをゴールに患者に関わります。
介護の世界では、
判定した要介護度のレベルの改善、あるいは、現状を維持することをゴールに要介護者に関わるのです。

そして、それぞれがそのゴールに向けて、それぞれの治療・サービスが提供され、仮説検証のサイクル、あるいは、PDCAサイクルを回していくのです。

そして、介護者である家族は、介護のPDCAにおいては、自らも主体的に関わっていくことが必要なのです。

そのあたりは次回にご紹介していきたいと思います。


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